学生無年金障害者訴訟判決/Yさんのこと昨日(2004年03月27日)のニュースで、東京の地方裁判所で「障害基礎年金の支給を拒否されたのは違憲」として、国に年金不支給処分の取り消しと、 総額8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決の記事を見た。 実は私の知人の一人も、別の地方裁判所で原告になって、 現在も裁判が続いている。 この判決は、全国で訴訟を起こしている学生無年金障害者にとって、 どれほど勇気付けられるものであったことか。 Yさんは大学卒業を目前にして、 事故による頚椎損傷で首から下が不自由な身となった。 就職先も決まり、希望と意欲に満ち溢れていた時のことであった。 当時はまだ進学率も高くなかったし、 今よりもずっと多かった貧乏学生のほとんどは、 国民年金になど加入していなかったことであろう。 彼が何年もの間の入院治療とリハビリの後に、 家族の介護による生活を在宅で始めた時には、30歳を超えていた。 その後、わずかに動く指先でパソコンを使うようになり、 障害者の小規模授産施設のような場所で、 少しばかりの収入を得るようになった。 私が彼と出会ったのはそんな時であったが、 私はその頃彼が無年金であるとは、全く知らなかった。 それでも、重い障害を持ちながらも 積極的に障害者運動などに参加をする中で、生活を共にする女性と出会い、 現在はその奥さんの収入によって生活をしているはずである。 彼が「無年金訴訟」の原告になったというニュースを新聞で見て、 私は初めて彼が無年金であるということを知った。 結婚するまでは両親に生活費を依存せざるを得なかった彼は、 親への遠慮もあったのか、 親しい人にも自分が無年金であることを話していなかったのだ。 そのような状況の彼と結婚し、 生活全般を支え続けている奥さんには本当に頭が下がる。 一日も早く、彼らが生活についての不安を解消できるようにと祈っている。 そして、他の地域での裁判が、すみやかに行われるようにと願う。 (2004年03月28日) ジャンル別一覧
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